汎用プラスチック(汎用樹脂)

樹脂加工の基礎用語

汎用プラスチック(汎用樹脂、英:Commodity Plastic)は、樹脂生産量の約80%を占める熱可塑性樹脂の一つです。
安価で加工性が高く大量生産できるため、工業用品、日用品・雑貨に至るまで、その用途は非常に多岐に渡ります。
ただし、引張強度や耐衝撃性、耐熱性はあまり高くないため、機械部品としてはエンプラスーパーエンプラの方が適していることが多いです。

 

樹脂は耐熱性能で3つに分類することができますが、エンプラが100℃〜150℃程度、スーパーエンプラが150℃以上程度であるのに対し、汎用プラスチックはせいぜい100℃程度です。
これは、汎用プラスチックの分
子鎖(主鎖)が炭素のみで構成される単純な分子構造のため、高温環境下で分子の運動が活発になるためです。

 

実は汎用プラスチックの中には、「5大汎用プラスチック」と総称されるものがあります。

場合によっては、高密度ポリスチレンと低密度ポリエチレンを一つにまとめ、ABS樹脂を5大汎用プラスチックに加えることもあります。

 

分子構造によって結晶性樹脂非晶性樹脂に分類することもあり、
PP樹脂PE樹脂が前者、PS樹脂
ABS樹脂PVC樹脂PMMA樹脂等が後者に属します。

 

さらに、①オレフィン系樹脂、②スチレン系樹脂、③その他という3つに分類することも可能です。
射出成型で多用されるオレフィン系樹脂にはPP樹脂ポリエチレン(PE)が属し、比重が1.0以下で水に浮く、剛性が低い等の特徴があります。
PS樹脂ABS樹脂、AS樹脂を含むスチレン系樹脂は、硬質の射出成形品に多く使われ、比較的比重が大きく水に沈む、硬度が高くキズがつきにくい、剛性が高いといった性質を備えています。
PVCPMMAはその他に分類されます。

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