熱可塑性樹脂

樹脂加工の基礎用語

樹脂材料は、加熱時の反応(もしくはその要因となる分子構造)により熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に二分されます。
熱可塑性樹脂(英:Thermoplastic resin)とは、加熱すると液状になり、冷却すると固体に戻る性質”熱可塑性”をもつ樹脂の総称です。

 

この性質を利用して加工を行うのが、射出成形・ブロー成形・押出成形等の成形加工です。
熱可塑性樹脂に属す樹脂は、ガラス転移点もしくは融点まで加熱すると柔らかくなり、簡単に形状を変形させることができるようになります。
特に射出成形では、加熱して液状になった樹脂材料を金型に流し込み冷却することで、目的の製品を加工しています。
また、3Dプリンタも樹脂の熱可塑性を利用した加工方法です。その他、リサイクルしやすいという特徴もあります。

 

加熱すると硬度を増す熱硬化性樹脂よりも靭性に優れ、成形加工向きで量産に向いているものの、
加熱するたびに物性が低下する点には注意が必要です。

 

汎用プラスチックからエンプラスーパーエンプラまで多くの樹脂材料が、この熱可塑性樹脂に分類されます。

 

日本プラスチック工業連盟が発表しているプラスチック原材料生産実績(2022年1月)によると、
総生産量891,843トンのうち熱可塑性樹脂は90%以上を占めており、熱可塑性樹脂が圧倒的です。

(参考:日本プラスチック工業連盟 2022年プラスチック原材料生産実績

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