ポリエチレン(PE樹脂)
汎用プラスチック
ポリエチレン(PE樹脂、英:polyethylene)は、その密度によりLDPE(低密度ポリエチレン)とHDPE(高密度ポリエチレン)とに二分されるほか、分子量という視点では超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE樹脂)が有名です。また、ゴム弾性に優れるEVA樹脂もあります。
ただし、UHMW-PE樹脂は一般にスーパーエンプラに分類されるため、ここでは汎用プラスチックとしてのポリエチレンに注目して解説します。
まずポリエチレン全体について説明します。
5大汎用プラスチックの一角を占めるポリエチレンは、1930年代に工業的な製造方法が発見され1950年代に量産技術が確立したことで一気に普及し、現在最も生産量が多い樹脂材料です。
樹脂の中で最も価格が安く、日本における樹脂生産量の約25%にものぼります。
LDPE・HDPEの両者に共通する特徴としては、
- 安価で量産が可能
- 加工性(成形性)に優れている
- 低温環境に強い(約-20℃まで)
- 防水性・防湿性
- 絶縁性
- 耐薬品性
- 衛生的(特に食品安全性)
- 耐油性
等があります。
一方、
- 耐熱性が低い
- 強度・耐衝撃性が低い
- 耐候性が低い
- 塗装・着色に不向き
等の欠点もあります。
次に、LDPEについてご説明します。
ポリエチレンの中でも密度が低いLDPEは、HDPEに比べて
- 軟質で加工性に優れる
- 印刷・着色・塗装に向いている
といった長所がある一方で、
- 剛性が小さく破れやすい
- 耐熱性が低い
- 相対的にコストが高い
といった欠点も持っています。
主な用途は、食品用ラップフィルムや透明のポリ袋、緩衝材・梱包材等があります。
そして、HDPEです。
HDPEは、LDPEに比べ
- 剛性が大きく強度が高い
- 比較的耐熱性に優れている
- 相対的に安価
といった長所を持つものの、印刷・着色・塗装に不向きといった欠点があります。
主な用途は、レジ袋、ビールケース、ガソリンタンク、薬品・洗剤の容器等です。